「不思議の国のアリス」シリーズで有名な金子國義(かねこ くによし)。本の挿絵や表紙を主に描いている人物のイメージですが、実は多くのリトグラフや油彩画・版画作品を生み出しています。
今回は金子國義の経歴や人気作について解説します。
金子國義の経歴
金子國義は1936年、織物業を営む両親のもと、四兄弟の末っ子として誕生。小学校時代は図工に優れ、すでに芸術家の片鱗を見せていました。
子供の頃、とあるバレエ公演を見て感動。ミッション系の中学・高校を経て1959年、日本大学藝術学部デザイン学科入学。歌舞伎舞台芸術家の長坂元弘のもと、舞台美術で経験を積みます。
大学卒業後はグラフィックデザイン会社に入ったものの、わずか三カ月で退職。その後フリーとなり、小説家・澁澤龍彦の挿絵などを手掛けます。1967年に澁澤龍彦のすすめを受け、銀座で個展「花咲く乙女たち」を開催。画家として本格的なデビューを果たします。
油彩画やリトグラフ作品をメインに制作する傍ら、多くの雑誌や書籍に挿絵や口絵を提供。「不思議の国のアリス」をモチーフとしたイラストを多く発表し、幅広い世代からの人気を獲得。「不思議の国のアリス」シリーズは大型絵本にもなっている代表作です。
活躍の場は挿絵や絵画に留まらず、L’Arc〜en〜Cielのhydeの依頼を受けソロ・アルバム「FAITH」のジャケットアートワークを作成。
さらに彼の好むコウモリをモチーフとした浴衣のデザインも行いました。また紅茶メーカー「Tea house Sima」からコラボ紅茶缶が販売。金子國義の美しい世界観をそのままにしたデザインがされました。
金子國義の代表作品
代表作「不思議の国のアリス」シリーズや小説の挿絵・表紙など幅広い活躍を見せる金子國義。セクシーな女性や力強い男性の姿を主に描くことでも有名です。映画「ヘルター・スケルター」のワンシーンでも使用され、話題となりましたよね。
有名な作品はいくつかありますが、中でも「鳥の三女神(1993年)/リトグラフ・版画」は力強い女性の背中を表現した一枚。黒一色でありながら、金子國義が追い求めた「力強く・セクシーな女性像」がしっかりと表現されている一枚です。
また女性を描いた作品は他にもあり、「考える箱Ⅳ(2003年)/油彩画」や「不思議の国のアリス『スーツを着た白うさぎ』(2000年)/リトグラフ・版画」、「ジングルベル(1997年)/シルクスクリーン」なども有名です。
特に不思議の国のアリスシリーズを描く際、すでに海外で定着していたアリスを日本風に描くことに難色を示していたといいます。しかし当時の編集部にアリス顔の女性がおり、彼女をモデルにすることで何とか出来上がったという裏話があります。
以来、アリスシリーズを長く手掛けていた金子國義でしたが、ようやく定着してきたのは2000年代に入ってからだといいます。作家の苦労や努力がにじみ出るエピソードといえるでしょう。
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