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加山又造（かやま またぞう）は裸婦から静物・風景やまで幅広く描き、数多くの功績を残した「現代の琳派」です。今回は加山又造の経歴や人気作品・買い取り時のポイントを解説します。売却をご検討の方は参考にしてください。
加山又造の経歴
加山又造は1927年、京都府の西陣織の図案家加山勝也の息子として誕生。祖父も四条・円山派絵師という、芸術一家です。
自身も京都市立芸美術学校で絵画を学ぶものの、京都画界では技法に偏りがあると判断。その後上京し、東京美術学校で日本画を学び、山本丘人に師事しました。
山本丘人は戦後、日本画革新運動のリーダーを務めた人物。従来の技能に限らず、「創造美術」結成にも携わっています。
山本丘人が築き上げた「創造美術」はのちに「新制作協会」へ転身。加山又造も結成直後から参加しました。1950年には春季創造美術展に「自画像」「動物園」を出品し、初入選を果たします。
1955年には自身初となる個展を開催し、1958年に海外へ進出。グッゲンハイム賞国際美術展へ初めて出品しました。1966年代になると画家の傍ら、多摩美術大学教授に就任し、後任を育てる活動にも力を入れます。
加山又造が生み出す数々の作品は、日本画の伝統的な技法を現代風に表現し、「現代の琳派」とまで呼ばれました。1970年代には水墨画にも挑戦。
1997年には京都の天龍寺法堂に天井画「雲龍図」を完成させ、文化功労者に選ばれたのち、2003年文化勲章を受章するなど、数々の功績を残します。また自動車などの工業デザインも行い、多彩な才能を十分に発揮しました。
加山又造の代表作品
引用：富山県水墨美術館
加山又造は当時の日本画では珍しかった裸婦の画題に挑み、1970年代には美しい女性の姿を数多く残しています。
特に有名な「うずくまる裸婦（1981年）/リトグラフ」は座り込む女性を白と黒で表現した美しい作品。女性が真っすぐこちらを見つめる姿に。思わず魅入ってしまいます。またバックにはレースのような細かな装飾が施され、裸婦の曲線と相まって美しいコントラストを生み出していますね。
もちろん裸婦だけでなく、静物や風景画も数多く残しています。
「玉虫（1970年）/メゾチント」は複雑な有機物が組み合わさって生命が誕生する様を優雅に描いた作品。加山又造が幼いころより好んだとされる“虫”をテーマにした作品です。
また柿を描いた「静物（1967年）/木版画」や冬の風景を繊細に表現した「雪（1983年）/アクアチント」も外せません。特に「雪」は版画集「月・雪・花」のうちの一点。加山又造が得意とした琳派の特徴がよく現われています。
他にも、「猫（1990年）/木版画」や「夜桜（1993年）/木版画」も有名な作品ですね。
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