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野中ユリ（のなか ゆり）は版画をメインにコラージュ作品にも力を入れてきた画家です。
ここでは野中ユリの経歴や人気作品について紹介。売却時のコツや方法についても解説します。
野中ユリの経歴
引用：神奈川県立近代美術館
野中ユリは1938年、東京生まれの画家です。芸術一家に生まれたため、早くから絵画に興味があったといいます。
そして都立駒場高校在学時の15歳で、画家になることを決意。1953年より版画制作に取り掛かりました。1年ほどは関野準一郎の主宰する銅版画の研究所で研修を行い、多くの技術を修得。美術系の学校には一切通わず、ほぼ独学で腕を磨いてきました。さらに版画だけでなくコラージュの制作も行っています。
17歳～18歳までは近代日本を代表する画家・瀧口修造のもとでさらなる技術を会得。瀧口修造は野中ユリにとって、人生最大の師となりました。
さらに1957年には瀧口修造の推薦を受けて、瀧口企画のグループ展「銅版画展」（タケミヤ画廊）に出品。同年、「第一回東京国際版画ビエンナーレ展（東京国立近代美術館）」にも出品するなどし、知名度を上げていきました。
1959年以降は、版画を中心とした個展をメインに活動。「パリ青年ビエンナーレ」、「現代日本美術展」、「東京国際美術展」など多くの美術館や展示会の常連となります。野中ユリの活躍は版画に留まらず、デカルコマニー、コラージュ、パステル、油彩、タブロオ・コラージュ、オブジェなど多彩。
新聞や雑誌・単行本の挿絵も手掛け、幅広い層からの支持を得ています。さらに個人画集や版画集・エッセイ集などが発売。2002年には神奈川県立近代美術館に野中ユリの作品が多く寄贈されたことを記念し、個展が開催されました。
野中ユリの代表作品
引用：神奈川県立近代美術館
野中ユリは繊細かつ幻想的な作品が特徴。1950年代から2000年代初頭にかけ、版画とコラージュを巧みに組み合わせた作品も発表してきました。
「天使について―フラ・アンジェリコ〈函のある〉（1990年）/コラージュ」や「連作「蓮華集」その9 大日如来を囲むラサの寺院と僧院（1999年）/コラージュ」は蓮の花をメインとした作品。浮かび上がるように描かれた蓮が、どこか非日常的で幻想的な雰囲気を醸し出しています。
また版画作品では“ギリシャ”をモチーフにした作品も人気です。「キュパリッソス（1984年）/版画」は鹿のシルエットが印象的で、キュパリッソスの悲しみが伝わってくるよう。
「アドーニス（1984年）/銅版画」と「ヒュアキントス（1984年）/銅版画」はモノクロの中で、唯一色付けされた花が目を引きます。幻想的かつノスタルジーを感じる作品は、今まで多くの人を虜にしきました。
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