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山川永徳斎（やまかわ えいとくさい）は四代目まで続く人形作家です。彼の制作した雛人形は宮内に献上されるなど、高く評価されました。ここでは山川永徳斎の経歴や代表作品について解説します。
山川永徳斎の経歴
山川永徳斎（やまかわ えいとくさい）は江戸・東京日本橋を代表する日本人形作家です。初代・永徳は剣術を教えていた父・山川多仲の7男として生まれました。
人形師を志してからは、京都で11代岡田次郎左衛門の下修行を重ねます。永徳の作成した市松人形は、左大臣勝子姫(後の照憲皇太后)から注文を受けて献上するなど、高い技術が認められていました。人形師として知名度を上げた永徳は、時代が明治になった頃、独立します。
独立後は東京日本橋十軒店にて開業しましたが、再び照憲皇太后よりオファーを受け、市松人形を献上。同時に名前を｢永徳｣から｢永徳斎｣に変更しました。
その後も宮中御用や財閥関係、上流階級から多く人形の注文を受け、人形師としての地位や人気を不動のものとしました。
後に永徳の長男が1908年に二代目・山川永徳斎を襲名します。その後は初代の次男が三代目を襲名、四代目は二代目の六男が襲名するなど、 山川永徳斎の名は受け継がれていきました。初代から四代目にかけて、スタンダードな雛人形はもちろん、市松人形や毛植人形など様々な分野の人形を多く世に送り出しています。
山川永徳斎の代表作品
山川永徳斎は雛人形や市松人形・毛植人形など幅広いジャンルの人形を制作してきました。特に有名なのが雛人形や三折れ人形です。
三折れ人形は今でいう着せ替え人形のようなもの。市松人形などと違い、胴体や手足に間接があるため、好きなポーズにできるのがポイント。模様や色などは江戸時代の様子を再現したものも多く、当時の様子がうかがえます。
他にも凛々しい馬の姿を繊細に表現した「飾り馬」や武士の佇まいを表現した「鍾馗（しょうき）」「甲冑一式・太刀弓一対 」などがあります。山川永徳斎の作品は繊細ながらもダイナミックなものが多いですが、代によって人形の表情に差がある点にも注目。
初代は江戸期の静かな顔立ちを承継、二代目は明治盛期の民衆の華やかさを表現しています。三代目は初代・二代を継ぎながらも、やや幼い顔立ちが特徴です。人形の顔がそれぞれの時代背景を写しているため、見比べてみるのも楽しいかもしれません。
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山川永徳斎の日本人形や市松人形、雛人形は、その多くが宮内に納められたことでも有名ですが、関東大震災で一部が消失しています。そのため現在残っているものの中には、希少価値の高いものも多く、査定額は上がり続けています。
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