今回は、普通ゴミとして出す、供養してもらう、買取業者に依頼するなど、さまざまな処分の方法がある中で果たしてどれが一番良いのか?人形の処分の仕方について徹底解説します。
目次
観賞用?着せ替え?処分する人形の特徴とは?

人形と言ってもさまざまなものがあります。小さなものなら一般ごみにまぜてしまっても問題ないでしょう。処分方法に困るのはゴミ袋に入れるのを躊躇するような、大きいものです。どんなものがあるのか?見ていきましょう。
伝統的な工芸品の人形
特に処分に困るのは工芸品の人形です。主に以下のようなものが挙げられます。
日本人形
私たちに馴染みがある日本人形。日本の代表的な工芸品です。
一口に日本人形と言っても、着物を着て日本髪を結った「市松人形」、木製の穏やかな目つきがかわいらいしい「木目込人形」、三頭身と透き通るような白い肌が特徴的で宮中や公家からも愛された「御所人形」、球体の頭部に円柱状の胴体が特徴的で東北地方の名産品となっている「こけし」など、さまざまなものがあります。
アンティーク・ドール
海外にももちろん日本と同じように人形を愛する文化があります。その歴史は古く、ローマ時代にはすでに人形が造られていたと言われています。
特にアンティーク・ドールとして人気が高いのがフランスの「ビスクドール」。15世紀くらいに洋服を着せられる等身大の女性を象った「ファッションドール」と呼ばれる人形が造られるようになり、ヨーロッパ中で人気を博しました。18世紀ごろには子どもが遊べるような小さいサイズのものが主流となりました。これが現在のビスクドールの原型と言えます。
さらに、1800年代終盤には女の子どもを象った「ベベドール」が誕生しました。これはパリ万博に出展された日本の市松人形が影響を与えていると言われています。今、私たちがアンティーク・ドールとして親しんでいるビスクドールも、実は日本の文化が入ったものなのです。
節句人形
代表的なのはひな祭りに飾る雛人形、端午の節句に飾る五月人形です。もともと節句は季節の変わり目という意味で、古代中国ではその時期に飾りとお供え物をして厄払いと無業息災を願う文化があり、それが日本に伝わったとされています。
中国では3月3日に水辺で身を清める「穢払い」という儀式があり、それが平安時代に日本に伝わりました。その後に、人形に厄を移して川に流す「流し雛」に変化。江戸時代に現在のようにひな壇に雛人形を飾るスタイルになったとされています。
室町時代の武家には端午の節句の頃に湿気対策として鎧や兜を家の中に飾る習慣がありました。これが転じて、子どもを災難から守ってほしいという願いを込めて鎧や兜をまとった人形を飾る習慣ができ、それが五月人形となったとされています。
民芸品の人形
以上で紹介したのはあくまで一例です。日本では、あるいは世界では、他にもさまざまな人形があります。
たとえば日本では「京人形(京都)」「博多人形(福岡)」、「駿府雛人形(静岡)」「加賀人形(金沢)」「さるぼぼ(岐阜)」というように、各地でそれぞれ特色ある人形が造られています。
一緒に遊べる!着せ替え人形

ここまでご紹介したのは鑑賞品としての人形です。「人形」というと、着せ替えができるおもちゃを思い浮かべる方もいらっしゃるかと思います。
その代表例がバービー人形。1959年にアメリカで誕生し、自分が好きな服を着せられる、おままごとの相手になってくれるということで、世界中の女の子から愛されてきました。
一方、日本では1967年にタカラトミーがリカちゃん人形を発売。日本風の顔立ちで、日本人にとってはより親しみやすい、お友達のような感覚。小さい頃はリカちゃん人形で遊んだ女性の方も多いかと思います。
まだ人形を捨てられない!その理由と捨てるべきタイミング

人形といってもいろんな種類があります。どんな人形であれ、家に飾ったりいっしょに遊んだりすると愛着が出てくるもの。処分するタイミングがわからなかったり、捨てるのに気が引けたりして、そのままになってしまいがちです。
人形を捨てるのは縁起が悪い?!
人形が捨てられない理由として多くの方が挙げるのが「人形を捨てたらバチが当たるのではないか?」「祟られるのではないか?」ということです。
確かに人形を捨てたことで呪われて不幸になってしまうという都市伝説やホラーが数多くありますので、縁起が悪く思ってしまうのは無理もありません。呪いや祟を信じていない方でも、人に似せて造ってあるので、ものとしてではなく心ある人間に見え、なんとなく処分するのを躊躇してしまう方も多いかもしれません。
都市伝説やオカルトは否定も肯定もできません。確かに心霊現象や呪い、祟りなどは科学的に証明されていないものです。だからといって、それを「全くの迷信だから捨ててしまいましょう」などと言い切ることもできません。正解はありませんので、なるべくご自身が納得できる方法で処分してください。
捨てるタイミングはいつ?!
人形を処分するのに良いタイミングは「節目」です。特に節句人形などは厄を代わりに受けてくれるとされています。その役割が終わった後に処分するのがおすすめです。たとえば成人式や就職、結婚を迎えたときなどに労いの気持ちを込めて処分するのが良いかと思います。
着せかえ人形についても、進学したタイミングや成人式を迎えたタイミングなどに「今まで遊んでくれてありがとう」という気持ちを込めて処分をすると、気持ち的にもスッキリできます。
都道府県別で違う!?人形の処分方法(自治体)

人形をごみとして処分するためには、おすまいの自治体のルールにもとづいて分別して廃棄する必要があります。自治体によって規則もさまざまです。
北海道|人形の処分方法
北海道の札幌市のホームページでは家庭から出る排出頻度が高い品目の処分方法をまとめた「家庭ごみ50音分別辞典」というページに、雛人形の処分について記載がされています。
人形本体は燃やせるごみ、雛人形のセット(雛壇を含む)は大型ごみとして処分することになります。いずれも手数料がかかります。
東京都|人形の処分方法
東京都江東区ではかなり細かく規定がなされています。30cm以上のものは材質にかかわらず粗大ごみ、30cm未満の紙製のものやプラスチック製のものは燃やすごみ、金属製、陶器製のものは燃やさないごみとなります。
愛知県(名古屋)|人形の処分方法
愛知県名古屋市でも同様に、30cm以上のものは粗大ごみです。30cm未満で陶器製・ガラス製のものは不燃ごみ、木・布・プラスチック製のものは可燃ごみです。
大阪府|人形の処分方法
大阪府大阪市でも30cm以上のものは粗大ごみとなり、粗大ごみ収集受付センターに電話をしなければいけません。30cm未満のものは普通ごみとなります。
福岡県|人形の処分方法
福岡県福岡市では「人形」という項目はありませんでした。ぬいぐるみに関しては燃えるごみで処分ができます。
大切な人形を供養して処分。その方法とは?

大切な想い出がいっぱい詰まった人形。ごみとして捨ててしまうのは忍びないという方も多いことでしょう。そこで、ここからはごみに出す以外の処分方法についてお伝えします。
神社やお寺で処分
各地の神社やお寺で人形を供養した後に処分してもらう方法です。「人形寺」というように、人形の供養に特化したお寺もあります。読経をした後、お焚きあげをすることで、人形が心安らかに役目を終えることができます。処分する人にとっても区切りとなり、優しい気持ちで人形を送り出してあげることができます。
費用は一体1,000円~ですが、寺院によっては無料で行ってくれることもあります。
人形感謝祭で処分
日本人形協会では人形の供養代行サービスを行っています。人形を専用の差し出しキットに梱包して送るだけで、人形を供養することができます。集められた人形は、毎年10月ころに東京大神宮で行われる「人形感謝祭」で供養されます。料金は1箱あたり5,000円です。
人形を買取業者へ処分!

人形を捨てたくない、お寺や神社に行く暇がないという方は買取業者に買取ってもらうという方法がおすすめです。
買取業者をおすすめする3つの理由
ごみとして捨てる、供養するという処分の仕方にはないメリットが買取業者を利用することで享受できます。
① 無料で引取りできることもできる!
自治体にもよりますが、ごみとして人形を出すと手数料がかかります。特に大型のものは粗大ごみになるので手数料も割高になってしまうものです。神社やお寺で供養をお願いすると何千円という供養費用がかかります。
買取業者に依頼すれば処分費用はかかりません。基本的に無料で引き取ってもらえます。
② 買取専門店なら高値で売れる!
人形のなかには価値が高いものがあります。普通の値段で買ったとしても、後に希少価値や美術品としての価値が認められ、プレミアがついている可能性も考えられます。人形をネットオークションやフリマで売るという選択肢もあるのですが、リサイクルショップや腕利きの鑑定士が在籍している買取業者に依頼したほうが、高値がつく傾向があります。
③ 処分する手間が省ける!
人形をごみとして出すには近くのゴミ集積場やごみ処理センターに事前に申し込んだ上で持ち込まなければいけません。供養してもらうなら、お寺や神社に足を運ぶ必要があります。買取業者では出張買取や宅配買取もあるため、どこかに出向く時間と労力を省くことも可能です。
高値で売れる秘訣ポイント

人形を売る前には一度お手入れをしたり掃除をしたりして綺麗にしてあげましょう。見た目が良くなるだけでも査定額がアップする可能性があります。羽ハタキや布手袋などでホコリを払い、テッシュや和紙などで拭き、汚れを除去しましょう。
また説明書や箱などの有無も買取額を左右します。査定に出す際には付属品もしっかりと添えるようにしましょう。
人形の処分なら買取専門店の散歩道へ
散歩道ならもう使っていない人形、家のなかでタンスの肥やしになっている人形も喜んで買い取ります。お見積り・出張買取、宅配買取はすべて無料。一切負担はありません。LINE一本で査定もOK。お店に出向く手間もありません。
目利きの鑑定士が揃っているため、他社よりも高額買取できる自信あり。人形の処分に困っている、愛着がある人形が捨てられないなら、散歩道に一度相談してみてはいかがでしょうか?