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日本人形と市松人形の違いとは?

結論から言うと、日本人形も市松人形も同じものです。日本人形とはその名の通り日本の伝統的な人形のことを指します。その一つが市松人形というわけです。
こんなにある?!日本人形の種類
日本人形という大きなくくりがあって、そのなかに市松人形というジャンルがあると考えるとわかりやすいかと思います。特に市松人形は人気で市場にも多く出回っているので、「日本人形=市松人形」とイメージされる方も少なくありません。
しかし、日本人形にはさまざまなものがあります。代表的なものをいくつか見ていきましょう。
木目込人形
木目込人形は木や桐塑(粘土の一種)で作られた人形です。胴体の端に目打ちなどで布を押し込むことで衣装を着ているように見せるのが特徴的です。この布を押し込む作業を「木目込む」ということから、木目込人形と呼ばれるようになりました。加茂人形や江戸木目込人形が有名です。雛人形として造られる木目込人形もあります。
博多人形
その何のとおり博多に伝わってきた伝統的な人形で、福岡県の名産品のひとつとなっています。陶器でできていて、肌や目や口、衣装などは手描きで描かれています。木でできた人形とはまた違った質感を楽しむことができます。ずっしりとした重量感があるのも、博多人形の特徴です。
こけし
東北地方の民芸品として知られるこけしも日本人形に分類されます。その歴史は古く、江戸時代からすでに子どものおもちゃとして東北地方でお土産として売られていたとされています。ろくろで円柱状に削った胴体と球状の頭部というシンプルな造りで、それに顔や衣装を描きます。東北地方のお土産屋さんをはじめ、全国各地で売られているので、比較的馴染みがある日本人形だと言えます。
市松人形
日本人形の代表格と言っても過言ではありません。女の子を象った着せ替え人形で、桐塑や木で形作り胡粉(貝殻を原料とした顔料)で着色し、布でできた衣装を着用させます。江戸時代から造られている伝統ある人形で、当時は子どもの遊び相手や裁縫の練習台として使われていました。
市松人形という名前の由来は諸説あり、顔立ちが歌舞伎役者の佐野川市松に似ていた、当時「市松」という名前の子どもが多かった、もともと市松模様の着物を着せられて売られていたなど、いろんな説があります。
特に人気が高いものは人間国宝である平田郷陽が作ったもの。目元や口元、髪の毛の生え際が非常に精巧に作り込まれていて、まるで生きているかのようなリアリティが感じられます。米国から贈られてきた青い目の人形の返礼品として贈った市松人形。ベルギーやフランスで開催された万国博覧会に展示する日本人形の製作に携わり、日本人形の魅力を世界に知らしめた第一人者でもあります。
なぜ?!世界中で身代わりとして使われた日本人形

人形が造られているのは日本だけではありません。海外でもフランス人形やビスクドールなど、さまざまな人形が造られていて、人形を愛する文化は世界共通と言えます。では、そもそもなぜ人形が日本で、そして世界各国で造られるようになったのでしょうか?その理由を考えてみましょう。
生命が宿る人形とは?!
人形の原点は神事の人身供養です。もともと神様にお祈りする際に生贄として生きた人間が使われてきました。古代ではお供え物として女性や子どもが神様に捧げられてきたそうです。
やがて、人を象った人形にも人の魂が宿るという考え方が生まれ、生身の人間を生贄として差し出す代わりに、人形を生贄として差し出すように変化してきたと考えられます。
また、かつては身分の高い人が亡くなると、その人に仕えていた従者も一緒に墓に入る「殉死」が行われてきました。これに関しても人形が代わりとなって副葬品として人形を埋葬する文化が生まれたとされています。日本でも古墳から多くの埴輪が出土します。
人間を象ることで、魂が宿り生身の人間の代わりを勤めてくれる。これが、人形が生まれた理由だと考えられています。
人形(ひとがた)行事の意味
やがて、人形は人間の代わりに生贄になってくれたり、副葬品になってくれたりするだけでなく、本来なら人間に憑くはずの厄を代わりに引き受けてくれるという役割も担うようになってきました。
和紙を人間の形に切り取った「人形(ひとがた)」に厄を引き受けてもらい、その後に川に流して洗い清めるという文化がありました。この「ひとがた」を人形が勤めることになってきたのです。代表的なものは桃の節句に行われるひな祭り。雛人形が女の子に降りかかる災いを身代わりとして受け止めてくれ、役目を果たしたら川に流して清める「流し雛」という文化が平安時代頃に生まれました。
江戸時代に入ってから身代わりという考え方が薄れ、今のような雛人形を飾る風習に変わってきたと言われていますが、現在でも伝統行事として流し雛をしている地域があるそうです。
もともとは人間の代わりに犠牲となってくれた人形。これが長い年月を経るごとにその美しさから美術品として愛されるようになったり、可愛らしさから子どもの遊び相手になったり、さまざまな意味合いを持つようになり、文化として発展してきたと考えられます。
都市伝説!市松人形の髪の毛が伸びる本当の理由とは?

「市松人形の髪の毛が知らない間に伸びている」……そんな都市伝説や怪談を聞いたことはありませんか?実際にそんな怖い体験をされた方もいらっしゃるかもしれません。
でも、実は市松人形の髪の毛が伸びる怪奇現象は実際に起こり得るのです。そのメカニズムをご説明します。
①粗悪品
市松人形は長い髪を二つ折りにして頭部に縫い付けるという方法で髪を生やしています。粗悪品で縫い目が弱かったりして購入時よりも若干髪が伸びることがあります。特に仕上げ工程を怠った粗悪品に多く見られる現象です。
②寝ぐせ
人間の髪の毛と同じように、市松人形の髪の毛にも癖がつくことがあります。特に昔造られた市松人形は本物の人間の髪の毛が使われてきました。
たとえば、半年以上保管されていた人形は髪の毛に癖がついていて、しばらくしたらそれが元に戻って髪の毛が伸びたように見えるということもあり得ます。
③髪の毛の変色
髪の毛として使っている絹糸はときとともにだんだん色素が抜けていきます。髪の色が変わったことで、長さも変わったと錯覚を起こしてしまうことも考えられます。
このように市松人形の髪の毛が伸びる、あるいは伸びたように見える根拠は科学的に説明することができます。確かに怪談がいくつもあるので、「もしかしたら……」と思われるかもしれませんが、以上のような現象が起きていることが考えられるので、過度に怖がる必要はありません。
市松人形を処分するなら買取専門店の業者へ

人形を持っている人が意外と困るのが処分方法。前述のとおり、都市伝説や怪談の題材となっているので、なんとなく「捨てると縁起が悪いのでは?」「恨まれるのでは?」と思って自宅にそのままにしている方も少なくないと思います。
そこで、処分に困ったら買取業者に依頼してみてはいかがでしょうか?ごみとして捨ててしまうのではなく、大切にしていた市松人形を新しい持ち主に譲ると考えれば抵抗感も和らぐものです。
価値がある市松人形は高値で取り引きされています。ひょっとしたら悩みのタネとなっていた古い市松人形が思わぬ収入源になるかもしれません。
お手持ちの市松人形の価値は以下のような方法でかんたんにチェックできます。
①胴の部分を確認!
有名な画家の絵が高く売れるのと同様に、著名な人形師の作品は非常に高値での取り引きがされています。まずは市松人形の胴体の部分に注目してみましょう。人形師の名前などが入っていたら価値があるものである可能性があります。
②着物を確認!
骨董品の一つに「古布」というものがあります。また、年代物の市松人形も大変価値があります。古布で拵えた着物を着ている市松人形は高値がつく可能性があります。
③目の素材を確認!
もう一つ、価値が高い市松人形を見分けるポイントとして目が挙げられます。昔の市松人形はガラスに墨で黒目を描いたものが使われていました。目の材質がガラスのものも高く売れる可能性があります。
日本人形や市松人形の処分なら買取専門店の散歩道へ
お手持ちの市松人形が以上でご紹介したポイントのいずれかに当てはまったら、高値で売却できるかもしれません。でも、なかなか慣れていないと価値があるものなのか?どれくらい価値があるのか?を見極めることが難しいです。
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